結婚指輪をオーダーメイドしよう!

ワックス作成でわかったイメージを伝える難しさ

最初のワックスの段階で、カーブのラインやカットの幅など、それはとても細かいものだったのですが、私たちの思い描くものと違う部分があり、言葉や絵を駆使してなんとか説明し、結局もう一度ワックスを作っていただくことになりました。

二度目のワックス、しかしどうしても思い描く通りにいきません。本当に微妙な部分なのです。でも、だからこそ的確に伝えることも困難でした。一度はオーダーメイドを断念しようとまで考えましたが、そのとき店主の方が「既製品にせよオーダーにせよ、ご自身が納得した選択をした方がいい」という前置きをした上で、オーダーメイドのジュエリーについて深い説明をしてくれたのです。

より良いオーダーメイドジュエリーを作るために

オーダーメイドジュエリーは、職人が作り出す言わば芸術品である。

つまり、それは大量生産で作られる工業製品などとはまるで異なるのです。そこには職人さんのセンスや技術が入ります。だからこそ、機械で作られたものには出せない風合いや味が出るのです。これまでのオーダーメイドで製作されたジュエリーのデザイン画と現物やその写真などを見せてもらいながら、当初のデザイン画と出来上がってくるものに実際どれほど違いが見られるかを説明していただきました。それは私たちにの目には驚くほど大きな違いでしたが、それがオーダーの世界なのだそうです。

ジュエリーのオーダーは、依頼主がデザインを作り上げて完全に決めてしまうよりは、おおらかな気持ちで職人さんに任せると意外にいいものが出来るものなのですよ、とは宝石店の社長さんの言葉です。

興味深かったのは、職人さんを押さえつけ、一寸たがわずデザイン通りに作らせたジュエリーを見せていただいたときでした。その指輪は、ダイヤがふんだんにちりばめられ、センターに大きな大きなダイヤがどーんと乗った、それは豪華なものでした。しかし、その持ち主はどうしても気に入らない、ダイヤが美しく見えないのだといって、リメイクを依頼してきたのだそうです。

その話を聞いて、私たちにも理解できるような気がしました。あくまで無知な素人の考えですが、ジュエリーのプロである職人さんこそ、宝石の美しさを引き出す方法、ジュエリーそのものを最大限に美しく見せる方法を熟知しているのです。依頼主の何倍も。

これまでの誠実で真摯な対応から、私たちはその宝石店の方々を心から信頼していました。私たちはジュエリーのことなど何も知らない人間です。だからこそ、十分信頼に足る人にお願いすることが私たちにとって最良の選択であるという結論に到達しました。信頼できるお店の方が信頼している職人さんに作っていただけるのです。そう思うと、悩むまでもなく、とても安心した気持ちでお願いすることができました。

誕生石を結婚指輪に埋める

指輪をデザインしてもらい、その指輪に入れるダイヤモンドを決めた時、彼が「僕のにも石を入れたい」と言い出しました。そこで店主の方が、「お互いの誕生石を指輪に埋めたらどうでしょうか?」と提案をしてくれました。

彼の誕生石はアクアマリン、私の誕生石はルビー。しかし、指輪に埋め込むアクアマリンは小さいため、きれいに色を発しないとのアドバイスで、結局二人ともルビーを入れることになりました。いくつかきれいなルビーを探していただき、その中から一番鮮やかに赤く輝くルビーをふたつ選びました。

インドでは、ルビーは身につける人に「ラブ・アンド・パワー」をもたらすと言われるそうです。そして、石が肌に触れているとその力を強く享受できるのだと。私たちは、ルビーを指輪の内側にひっそりと埋め込むことにしました。

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